熊本県多収穫米生産研究会を初開催 外食・中食市場をターゲットに生産
一覧へ戻る[2020-02-14]
JA熊本経済連と熊本県主要農作物改良協会は2月3日、熊本市内のホテルで熊本県多収穫米生産研究会を初めて開催しました。多収穫米の収量向上と品質確保、低コスト栽培技術の確立、需要動向の把握と安定供給体制の確立を目的としています。熊本県やJAの担当者、生産者など71人が参加しました。
同経済連より、2019年産の集荷・販売状況や2020年産の推進方針・取り扱いについてとウンカ防除に関する農薬についての報告があり、JA全農九州米穀販売事業所からは全国情勢について報告がありました。また、株式会社ゼンショーホールディングス 殿塚義信シニアマネージャーより実需者の立場から「食で世界を変える」というテーマのもと、外食・中食用で使用される業務用米の国内店舗での取り組みや海外展開について講演がありました。
3人の生産者より、栽培にあたっての感想や課題等についての報告もあり、JA熊本市の河野大介さんは「初めて試験栽培として取り組んだが、気候の影響もあり苦労したこともあった。1年目はマニュアルに沿って栽培したが、2年目の今年は、自分なりに工夫をしながら栽培し、収量アップを目指したい」と意気込みを語りました。
JA熊本経済連の小島裕二農産部長はあいさつで「所得確保のためには高収量が重要となる。そのためには、生産技術を周知し、共有化していくことが不可欠である」と力を込めました。
多収穫米について熊本県では、2018年に「やまだわら」が認定品種に採用され、本格的に作付・販売に取り組んでいます。現在は、露地野菜と組み合わせ可能な早生多収品種「とよめき」の試験栽培にも取り組み、力を入れています。
▽意見を発表するJA熊本市の河野さん(写真中央)